安易に占いに頼る昨今の風潮に警鐘!

中国新聞社のタウン紙『Que』の編集室に行き、来月の占いコーナーに掲載する「今月のあなた」の原稿(フロッピーディスク)を渡したが、その折、担当者から「タウン紙が好評で、読者からのハガキも沢山きていますが、パール・やまぐちさんの占いコーナーへの感想も何枚かありました」とハガキを見せてもらった。否定的な文面は一枚もなく、みな『変わった占いなので毎月楽しみにしています』とか、『ありきたりの占いと違って、ユニークで面白いです』との感想が書かれていた。生年月日を使った秘数術なので、他の雑誌やテレビなどでやっている誕生月のみによる12星座占いとは違い、当たる確立が高いのは当然であるが、他運数(他動的な運)のみの解説なので、自運数(自分のその日の言動により引き起こされる運)も加えてこそ、的中率も高くなり、また、日々の参考にしてもらえるのだが、そうなるとスペースが倍になってしまい、むを得ないことではある。このタウン紙は、毎週金曜日に発行されるのだが、「今月のあなたの運勢」が掲載されている号がゴールデンウイーク直前だったので、通常より相当多く刷られたようだ。中国新聞の折込と、JRの東広島から山口県岩国市までの各駅のスタンドに置かれているが、今回は、広島駅で、フラワークイーンも手伝って乗降客に手渡していたとか。そのためか、先週から占い依頼の電話が幾つも入るようになった。タウン紙にはメールアドレスも電話番号も記載していないが、よく聞いてみると「パソコンでパール・やまぐちと検索してみたら、『占いタウン』に登録されていることが分かり、お電話しました」とのこと。で、ほとんどが電話やチャット鑑定希望なのだ。電話鑑定にも応じます、と占いタウンに記載しているのでムリもないが、今まで何度か電話での鑑定に応じたところ、鑑定料を振り込んでもらえなかったことに懲りて、以後は電話やチャットによる鑑定依頼には応じないことにしている。昔の専売公社のタバコのキャッチコピーに、『手軽なタバコで気軽に訪問』とかいうのがあったが、占い花盛りの現在は、ますます占いの質が低下して、『手軽な電話で気軽に占い』というふうな風潮が見られる。本当の占術とは、街頭の大道易者に気休めで診てもらうような訳にはいかないのだ。まともな占断をするには、まず沐浴を済まして机の前に座り、精神を統一。それから命式を作成し、生年月日と氏名に織り込められている運命因子を分析し、総合鑑定になる。次に秘術の前世探査法により、本人の過去生における幾人かの関係ある人物を抽出して、過去・現在・未来を診るのが私のやり方である。こうしてこそ相談内容に即した適切なアドバイスができるのであるが、相談を受けて鑑定書をワープロで仕上げるまで3日は要するので、余程、深刻な相談でないと断ることにしている。無論、電話鑑定でも占うことは意図も簡単で、本人の生年月日と名前を書きとめ、頭の中で素早く秘数術でもって易卦を出すことで相談に応じることは出来るが、鑑定料を振り込まない輩が多すぎるので、手間と日数がかかることではあるが、専ら、ファックスか郵送で鑑定申込み用紙を送って返送してもらうようにしている。ただ、相談内容の半数は異性・恋愛運や彼との相性などが多く、私からすればそんなことで相談してくるな、と言いたい。占いよりも、まず、自分が光り輝く努力をすることが先決なのだが、そういった努力はせず、愚痴っぽく喋られると聞いているこちらの方が嫌になってくる。ほとんどのことは誠実に笑みを絶やさず、精一杯努力しておれば、周囲の見る目も変わってくるものだし、時が解決してくれるものだ。特に最近は、占いのはしごをしたり、占いの本に夢中になる女性が多くなったが、そんなことは時間のロスで、そういった暇があるなら文学全集や聖書か仏教の書物を読んだ方が何倍もプラスになるし、心も癒される。それらの書物をじっくりと読み込んでいけば、解決の糸口やヒントを得られたり心の薬にもなり、後で振り返ってみると、「あの時、私は何であんなつまらないことで悩んでいたんだろう・・・。あちこちで占ってもらったが結局問題の解決にはならなかった」と、愚かさに気づく筈である。兎に角、占いに振り回されている姿を見ると哀れに思える昨今である。


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